改装を終えたANAインターコンチネンタルホテル東京を訪ねて
赤坂のアークヒルズに立つANAインターコンチネンタルホテル東京は、六本木や虎ノ門にも近く、東京を巡る拠点にしやすいホテルです。15カ月に及ぶ大規模改装を終え、客室やクラブラウンジ、ダイニングを刷新。今回は水スイートに宿泊し、改装後の居心地や館内での過ごし方を確かめました。
赤坂・アークヒルズを拠点に東京を巡る
ホテルがあるのは、オフィスや住宅、文化施設が集まる赤坂のアークヒルズ。都心らしい利便性がありながら、周辺には緑も多く、街の空気は比較的落ち着いています。六本木や虎ノ門ヒルズをはじめ、東京タワー、麻布台ヒルズの「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」も近距離。東京メトロ銀座線や丸ノ内線を使えば主要エリアへ移動しやすく、皇居や銀座にも足を延ばせます。観光だけでなく、仕事や食事の予定を組み合わせて動きたい人にも便利な立地です。
15カ月の改装で変わったこと
2024年12月半ばに完了した改装では、801室の客室を中心に、レストランやラウンジなど人が集まる場所にも手が入りました。インターコンチネンタルらしい国際的な雰囲気に、日本の色や意匠を控えめに重ねています。内装を新しくしただけでなく、客室で休み、ラウンジを利用し、館内で食事をする一連の流れまで見直したことが伝わってきました。
折り紙の意匠を取り入れた水スイート
新しい客室に共通するモチーフは折り紙です。コンセプトに掲げるのは「展開する東京」。街を巡るうちに東京のさまざまな表情が開かれていく様子を、折り目を思わせる幾何学模様に置き換えています。桜を思わせる特注カーペットに、桜色や淡い藍などの色を重ねた室内は、工芸的な要素がありながらすっきりと現代的です。
新設されたスイートには「水」と「空」の名が付けられています。私たちが宿泊した水スイートは約52平方メートル。水の流れを思わせる意匠と、柔らかな和の色合いが印象に残りました。リビングとベッドルームは緩やかにつながり、大きな窓の先には東京の街並みが広がります。大理石のバスルームには深めのバスタブとレインシャワーを備え、リビングと寝室を無理なく使い分けられる間取りです。ホテルの客室というより小さな住まいに近く、十分な広さがありながら空間が散漫に見えません。クラブインターコンチネンタルラウンジを利用できることも、この客室を選ぶ大きな理由です。
眺望と距離感のよいクラブラウンジ
クラブインターコンチネンタルラウンジは、35階と36階の2フロアに広がります。日本庭園を着想源とした内装は、伝統的な要素を抑えの利いた現代の空間になじませたもの。窓際から東京の街を一望でき、仕事にも休憩にも使いやすい落ち着きがあります。都内最大級の広さを持つ一方、利用者は193室のクラブルームとスイートの宿泊者に限られます。席の間隔には余裕があり、私たちの滞在中はスタッフの目もよく行き届いていました。
朝食はブッフェのほか、アラカルトや和朝食、ヘルシー朝食も選べます。午後はアフタヌーンティー、夕方にはシャンパンやカクテルとともに、温製・冷製のカナッペやタパスが並びます。時間帯によって内容が変わるため、朝食から夜の一杯まで無理なく使い分けられました。コーヒー、紅茶、ソフトドリンクは22時30分まで利用できます。
館内で完結するダイニングの選択肢
館内のダイニングは幅が広く、連泊でも選択肢に困りません。ショーキッチンを備えた「カスケイドカフェ」は各国料理のブッフェ、中国料理「花梨」は点心をはじめ、広東、上海、四川、北京など各地の料理を扱います。私たちが夕食に訪れた日本料理「雲海」では、手入れされた庭園を眺めながら会席料理をいただきました(関連記事:日本料理「雲海」東京:庭園を望む空間で味わう会席料理)。
37階の鉄板焼「赤坂」では、シェフの手さばきと東京のパノラマを同時に眺められます。「ザ・ステーキハウス」は温かみのある空間で、備長炭を使った肉料理が中心。数カ月前に訪れた際の様子はこちらで紹介しています(関連記事:ザ・ステーキハウス東京:アメリカンスタイルに重なる日本の技)。3Dアニメーションとコース料理を組み合わせた「ル・プチシェフ(Le Petit Chef)」は、食事とショーを一緒に楽しみたい人に向いています。「アトリウムラウンジ」では種類豊富な紅茶を、「ジュネヴァ ロビーバー」ではシグネチャーカクテルを注文できます。
36階の「MIXXバー&ラウンジ」は、眼下に広がる夜景が主役です。「ブリュワーズ コーヒー&バー」ではスペシャルティコーヒー、「メインバー『ダビンチ』」では希少なウイスキーを味わえます。会席や鉄板焼からコーヒー、深夜の一杯まで、その日の予定や気分に合う店を館内で選べるのは、このホテルの明確な強みです。
旅先でも運動を続けられる設備と夏のプール
4階の「Ka-tsu ヘルス&フィットネスセンター」は窓から自然光が入り、有酸素運動用のマシンや筋力トレーニング機器が揃っています。旅先でも普段の運動を続けたい人には使いやすい環境です。同じ階にあるガーデンプールは、都心のビルに囲まれた立地そのものがおもしろく、東京の空の下でひと息つけます。営業は6月から9月までの夏季限定です。
総評
改装後のANAインターコンチネンタルホテル東京は、客室の使いやすさ、クラブラウンジの広さと応対、館内ダイニングの充実ぶりに明確な強みがあります。なかでも水スイートは、和の意匠を前面に押し出さず、色や幾何学模様、間取りの中にさりげなく取り入れている点が好印象でした。赤坂を拠点に東京を巡りながら、ホテルで過ごす時間や食事も大切にしたい旅行者に勧めやすい一軒です。
印象に残った点
- 折り紙の幾何学と和の色を控えめに取り入れ、リビングと寝室を使い分けやすく整えた水スイート。
- 十分な広さがありながら、スタッフとの距離感がよく、料理の質も保たれていたクラブインターコンチネンタルラウンジ。
- 庭園を望む日本料理「雲海」と「ザ・ステーキハウス」をはじめ、予定や気分に合わせて選べるレストランの多さ。
気になった点
- ロビーは、改装後の客室やレストランとはデザインの調子がやや異なり、ホテル全体として見ると統一感を欠くように感じました。
料金の目安
- 2026年2月の滞在時、水スイートは580ユーロ。
連絡先
空室を確認ANA InterContinental Tokyo by IHG