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東京のミシュラン星付き寿司店へ。予約から味わい方まで

Florence Consul
Florence Consul ·
Restaurants Michelin

今回の日本再訪では、この国の食文化をもう一歩深く知りたいと思っていました。これまで気軽な店で寿司を食べる機会はあったので、次は東京を代表する職人の仕事を、昼のコースで味わってみることにしました。とはいえ、ミシュラン星付きの店となると、言葉だけでなく予約や注文の仕方にも不安が残ります。そこで、店選びから当日の味わい方まで、初めて訪れる人に役立つ要点をまとめました。

1)まずは候補を一軒に絞る

当時、東京は世界で最も多くの星付きレストランを擁する都市でした。『ミシュランガイド東京2018』には512軒のレストランが掲載され、三つ星は12軒、二つ星は56軒、一つ星は166軒。候補には事欠きません。

最初に決めたのは、エリアと星の数でした。東京は広いため、滞在先や当日の予定から無理なく立ち寄れる場所を選ぶのが現実的です。私はホテルに近い銀座に絞り、一つ星の店を探しました。ミシュランガイドのオンライン版で条件を指定すると、候補を効率よく絞り込めます。

2)予約はホテルのコンシェルジュに頼む

ホテルに滞在するなら、店名と住所をコンシェルジュに伝え、電話予約を頼むのが確実です。私が訪れた当時、「すし家 一柳」にはウェブサイトがあったものの日本語のみで、オンライン予約もできませんでした。コンシェルジュを介したことで、言葉の行き違いもなく席を押さえられました。

3)店の場所は事前に確かめる

東京では、住所が分かっていても目的の店を見つけにくいことがあります。電車や地下鉄で向かうなら、Google マップで経路を確認しておくと安心です。タクシーを使う場合は、運転手に見せられるよう、日本語表記の住所を用意しておきましょう。

店の入口が路面にあるとは限りません。地下やビルの2階に入っている店も珍しくないため、小さな看板を見落とさないよう、店名の日本語表記も確かめておくことをおすすめします。

4)予約するならカウンター席

店に入ってまず心に残ったのは、控えめで行き届いた応対でした。料理だけでなく、こちらの動きをさりげなく読み取る接客も、日本の名店を訪れる楽しみのひとつです。

寿司店は席数が限られ、カウンターが中心で、個室はわずかという造りも少なくありません。包丁を入れる手元や握る所作まで間近で見たいなら、予約時にカウンター席を希望しておくとよいでしょう。

5)コースの内容と予算を調べておく

席に着いてから迷いやすいのが注文です。英語の献立がなく、店の方も英語をほとんど話さない場合は、意思を伝えるのが難しくなります。私が訪れた「すし家 一柳」でも、職人が話す英語はほんのわずかでした。そこでトリップアドバイザーや個人ブログを読み、昼にどのようなコースがあるのか、大まかな選択肢だけは把握してから出かけました。

当時の高級寿司店の相場は、昼が5,000円前後(約38ユーロ)から、夜は10,000円前後(約76ユーロ)から。職人に内容を委ねる「おまかせ」は、つまみや握りの品数に応じて金額も上がりますが、その店の持ち味をひと通り知りたい人には適した選択です。

6)職人の修業を知っておく

職人が目の前の仕事に至るまでを知っておくと、手元の見え方も変わります。日本では、一人前の寿司職人になるまで10年以上を費やすこともあります。掃除や仕込みといった基本から始め、経験を重ねながら、やがてシャリを炊く大切な役目を任されるようになります。

7)ネタとシャリ、その一貫の違いを見る

星付き店の寿司で見るべきは、魚の質や鮮度だけではありません。ネタとシャリの温度の合わせ方にも注目したいところです。「すし家 一柳」は温かめのシャリを使い、合わせる魚に応じて温度を細かく調整することで知られています。シャリは常温という先入観があっただけに、一貫ごとに温度まで整える仕事には驚かされました。口の中でほどけるマグロのあとに、しっかりと歯応えのあるイカが続く。そうした食感の組み立てにも、職人の考えが表れます。

8)あとは、目の前の一貫を味わう

私が何度も日本へ戻ってきたくなるのは、ふと日常の外へ出たように感じる瞬間があるからです。どこへ行っても似たものに出会う時代に、ここでは土地に根づいた作法や伝統が今も暮らしの中に残っています。戸惑うことも、ひと筋縄ではいかないこともある。それも含めて、日本の面白さなのだと思います。本場で寿司を食べることには、一度は試すだけの価値があります。ただし私のように、帰国後、母国の寿司に物足りなさを覚えるようになるかもしれません。そうなれば、また日本へ行く計画を立てるほかなさそうです。

基本情報

  • 日本のミシュランガイド:オンライン版はこちら
  • 私が訪れた一つ星店は、銀座にある「すし家 一柳」。公式ウェブサイトはこちら