六本木の「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」でフレンチランチ
ミシュランの星を持つ店が数多く集まる東京には、フランスを代表するシェフも店を構えています。今回、私が選んだのは六本木ヒルズの「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」。取材時、ミシュラン二つ星を獲得していたレストランです。
ジョエル・ロブションはフランスで名声を築いたのち、モナコ、ニューヨーク、ロンドン、東京をはじめ、世界各地にレストランを展開しました。当時、ロブションの店が獲得していたミシュランの星は計28。シェフとして世界最多でした。
「ラトリエ」の構想が初めて店として形になったのは、2003年の東京でした。その後、フランス、香港、ラスベガスなど世界の主要都市へ広がっていきます。東京店が入るのは、高級ブランドのブティックが並ぶ六本木ヒルズ。買い物の途中にも、カウンターで落ち着いてフランス料理を味わえる一軒です。
厨房を囲む、赤と黒のカウンター
赤と黒を基調とした店内は照明が控えめで、落ち着いた雰囲気です。大きなオープンキッチンを約40席の長いカウンターが囲み、その周囲にはハイテーブルも置かれています。席からは、料理人の手元や厨房の動きを間近に眺められます。ロブションが東京の寿司店から着想を得たというカウンター。料理人と客が向き合う距離感が、赤と黒の内装にも違和感なくなじんでいました。
日本の食材がのぞくフランス料理
取材時、厨房を率いていたのは関谷 健一朗シェフ。メニューには、フランス料理を軸に、日本の食材や発想を生かした皿が並んでいました。ランチコースは3,200円(25ユーロ)、4,200円(30ユーロ)、6,800円(50ユーロ)の3種類で、昼夜共通のアラカルトも用意。ディナーは5,200円(40ユーロ)から、デギュスタシオンコースの16,500円(125ユーロ)までありました。この水準の料理としては、比較的抑えられた価格です。
ランチコースで選んだ三皿
コースは小さなアミューズに始まり、前菜へ。私が選んだのは、半熟卵にイベリコ豚の生ハムを添え、パルメザンの塩気をきかせたムースと合わせた一皿です。メインは、牛頬肉にニンジンのピュレとクミンのエマルションを添えたもの。クミンは明確に香るものの、煮込んだ牛頬肉の旨みを邪魔しません。
デザートには、フランス菓子に日本の味を重ねたサヴァランを選びました。イチジクを使ったスポンジ生地に、緑茶のカスタードクリームを添えた仕立てです。果実の甘みと緑茶のほろ苦さが自然になじみ、コースの最後にも重すぎません。
サービスは的確で、出すぎることがありません。欧州の同格店にも引けを取らない水準に、日本らしい細やかな目配りが加わります。必要なときにだけ自然に声がかかる、その距離感が心地よく感じられました。
ランチを終えて
ジョエル・ロブションの料理を、肩肘張らずに味わえるのがこの店の魅力です。取材当時の価格は、パリやロンドンの同格店ではまず考えにくいものでした。日本料理の店ではありませんが、東京でレストランを巡るなら、候補に入れておきたい一軒です。
訪れる前に
- 公式サイトからオンライン予約ができます。事前に席を押さえておくと安心です。
- 食後は近くの展望台「東京シティビュー」へ。現代アートの企画展を開く森美術館も、あわせて立ち寄りたい場所です。
連絡先
L'Atelier de Joël Robuchon