ザ・ペニンシュラ東京「ザ・ロビー」のアフタヌーンティー
英国式のアフタヌーンティーを受け継ぎながら、東京らしい感性を添えるザ・ペニンシュラ東京。丸の内の中心に立つホテルですが、一歩入れば街の気配がすっと遠のきます。和の意匠と欧州のクラシックを控えめに織り交ぜた「ザ・ロビー」で、季節のセイボリーとスイーツを味わいました。
皇居外苑を望む一棟建てのホテル
ザ・ペニンシュラ東京は、高層ビルの上階に入るホテルとは異なる一棟建て。地上階の玄関から迎え入れられる、その堂々とした佇まいが印象に残ります。皇居外苑に面し、銀座も徒歩圏内という立地ながら、館内に入ると都心の慌ただしさが遠のきます。
流行に左右されない内装に、使い勝手のよい設備を組み合わせ、客室には東京のホテルとして十分な広さがあります。窓からの眺めや室内設備に加え、レストラン、バー、ザ・ペニンシュラ スパ&ウェルネスセンターも揃い、ホテル内で一日を過ごすこともできます。私も数年前に宿泊しており、そのときの様子はザ・ペニンシュラ東京宿泊記で紹介しています。今回は、ホテルを象徴するアフタヌーンティーを目当てに再訪しました。
現代美術と生演奏に包まれる「ザ・ロビー」
正面玄関を入ると、ダークウッドと重厚なファブリックを配した「ザ・ロビー」が広がります。中央に立つのは、巨大な木の眼にも見える竹のアート作品『臥龍の門 〜 トッキーここにいる 〜』。竹の裏面を用いた現代的な造形が、温かみのある空間をほどよく引き締めています。宿泊客だけでなく、待ち合わせや食事に訪れる東京の人も多く、国際的なホテルの日常が垣間見える場所です。
アフタヌーンティーの席は、花火や蛍を思わせるクリスタルのシャンデリアの下。スイーツとセイボリーは、「ザ・ロビー」を象徴するシルバーのバードケージ型スタンドで運ばれます。専用の入口から入る4名用のプライベートバルコニー席なら、生演奏を正面に眺めながら、周囲と距離を置いて過ごせます。宿泊中は、客室やスイートでいただくことも可能です。
10月限定「ザ・ペニンシュラ・イン・ピンク」
通常のアフタヌーンティーは毎日用意され、季節の食材を使ったケーキやサンドイッチ、自家製スコーンが並びます。スコーンにはクロテッドクリームとジャムを添えて。飲み物はザ・ペニンシュラ オリジナルティーや、アートオブティーのオーガニックティーから選べます。
私たちが訪れた10月は、乳がんの早期発見と啓発を支援する「ザ・ペニンシュラ・イン・ピンク アフタヌーンティー」の開催期間でした。ピンクを基調とした限定メニューがバードケージを彩り、定番の自家製スコーンとともに運ばれてきます。
セイボリーの最初は「ピンクタピオカ」。パプリカのムースと澄んだトマトコンソメに、タピオカの食感を添えた一品です。フォアグラのムースには、酸味のあるルバーブとマスカットのチョコレートボールを合わせ、濃厚な味に変化をつけています。無花果と玉葱のタルトはクレームバルサミコで輪郭を出し、パテ・ド・カンパーニュにはコルニッションと玉葱のピクルスを添えて。ポテトとビーツのロールサンドにはサーモンリエットととびっこが入り、モッツァレラチーズとトマトチャツネのカプレーゼには生ハムの塩気が利いていました。ひと口ごとに味の方向が変わり、最後まで飽きさせません。
スイーツでは、フロマージュブランのパンナコッタと紅玉の甘酸っぱさがよく合い、軽やかな後味が印象に残りました。アーモンドサブレを土台にしたチーズケーキは、なめらかなクリームと香ばしい生地の対比が鮮明です。ライチのムースにはローズとグレープフルーツを合わせ、華やかな香りのあとに爽やかさが続きます。「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」は、シナモンガナッシュとラズベリーソースを添えた仕立て。「ミラー」にはチョコレートムースとラズベリーナメラカを重ね、艶のあるチョコレートグラサージュで覆っています。最後の「ピンクリボン」は、胡桃のダックワーズにマロンとバニラのムースを重ねた、秋を感じる穏やかな甘さでした。
飲み物にはジャスミンを選びました。澄んだ花の香りが、スイーツの余韻やセイボリーの塩気をすっきりと整えます。この企画に合わせたハウスカクテルも用意され、アルコール入りとノンアルコールのどちらかを選べました。
甘味と塩味に緩急のあるメニュー
実際に味わって印象に残ったのは、見た目の華やかさに頼らず、一品ごとに甘味、酸味、塩気、食感を変えていたことです。伝統的なスコーンを軸に、季節とテーマを現代的な菓子やセイボリーへ無理なく落とし込んでいます。生演奏が流れる「ザ・ロビー」の雰囲気とスタッフのさりげない目配りも心地よく、時間に余裕を持って訪れたいアフタヌーンティーでした。次に東京を訪れるときも、季節を変えて再訪したいと思います。
連絡先
Afternoon Tea at The Peninsula