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金乃竹 塔ノ澤|吊り橋の先、箱根の森に泊まる

Florence Consul
Florence Consul ·

塔ノ澤の森に建つ「金乃竹 塔ノ澤」は、大人だけを迎える温泉宿です。全客室に専用の露天風呂があり、食事やスパも敷地内で楽しめるため、到着後は出かけずに過ごせます。緑との距離の近さと、必要なときに行き届くサービスが印象に残りました。

吊り橋を渡って、森の中へ

宿へは、早川渓谷に架かる吊り橋「塔ノ澤橋」を渡って向かいます。歩みを進めるほど道路の気配が遠のき、森へ入っていく感覚が深まります。建物は大きく開いた窓やテラスを通して周囲の緑とつながり、共用部にも客室にも、移ろう光や木々を眺める余白がありました。

@Kinnotake Tōnosawa
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到着後は茶菓と飲み物をいただきながらチェックイン。好みの柄の浴衣を選ぶと、温泉宿に来た実感も自然に湧いてきます。館内で耳に入るのは、主に風や水の音。露天風呂や水盤を眺めていると、そのまま外出せず一日を過ごしたくなります。

21室すべてに専用露天風呂

客室は全21室、9タイプ。現代的な室内に和の素材を取り入れ、すべての部屋に森へ開くテラスと源泉かけ流しの露天風呂を設けています。浴槽の素材は御影石、青森ヒバ、檜。自家源泉「金乃竹 温泉」は、天候や気温によって金色がかって見えることがあり、肌当たりはなめらかです。幅にゆとりのあるハリウッドツインベッドを備え、冷蔵庫の飲み物も宿泊料金に含まれています。

@Kinnotake Tōnosawa
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私たちが泊まったのは、2階の客室「光 HIKARI」。広さは71〜75㎡で、洋室を基調にしながら、和の素材が違和感なくなじんでいます。露天風呂は青森ヒバを使った「帝(MIKADO)」。湯に浸かると、木の香りがほのかに立ち上ります。テラスの「姫(HIME)ベット」に横になれば、風が肌を抜け、葉擦れの音もすぐそばに。装飾を抑え、視線を遮るものが少ないため、実際の広さ以上にゆとりを感じる間取りでした。

品数豊かな和朝食

和朝食には、旬野菜の蒸し物、蒲鉾とわさび漬け、秋刀魚の甘辛煮、横浜の「食菜卵」を使った玉子焼きが並びます。海苔の佃煮や黒樺牛のしぐれ煮、いわしの山椒干し、鯵の干物など、ご飯に合わせる品も少量ずつ揃います。湯坂山の湧水で仕込んだおぼろ豆腐には、季節野菜を使った味噌仕立てを添えて。五つ星お米マイスターが選んだ「つや姫」と味噌汁に続き、食後は果物かプレーンヨーグルトを選べます。洋朝食も用意されています。

八節で替わる季節の懐石

夕食は、日本料理の基本に現代的な趣向を取り入れた懐石です。立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至の八節ごとに献立が替わります。地場の海山の幸を、丁寧に引いた出汁を軸に仕立てた料理が続きます。

肉料理を多めに味わいたい場合は、国産黒毛和牛を組み込んだ献立に変更できます。黒毛和牛フィレ肉の炙りや鮑のお造りといった特別注文料理もあり、好みに応じて追加できます。

私たちの夕食は、三種の先付から始まりました。蝦夷鮑には若筍、たらの芽、こごみを合わせ、枸杞の実と酢を利かせた白胡麻和えに。海老は薄衣で揚げ、キャビアと花穂紫蘇を添えています。白子と山のきのこ、柚子を入れた茶碗蒸しは、やわらかな口当たりでした。

@Kinnotake Tōnosawa
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椀物は、海塩で調えた澄んだ吸い地に蛤真薯を据え、人参、肉厚の椎茸、蕨を添えた一品。胡椒のかすかな刺激が、軽い出汁の輪郭を引き締めます。

お造りは旬魚四種の盛り合わせ。魚に合わせて包丁の入れ方を変え、それぞれの食感を引き出しています。添えられた泡の塩と醤油を使い分けながら、脂ののりに応じた加減で味わえました。

煮物は金目鯛。花模様の蓋物に盛られ、ゆっくり火を入れた身には煮汁がほどよく含まれています。しめじと蕗に、辛味と歯ざわりのある揚げ生姜を添えた、ほっとする味わいです。

鰆の焼物には雲丹醤油を合わせています。歯ざわりのよい長芋、酸味のある赤大根の酢漬け、みずみずしいウルイが、旨味の濃い魚の合間に軽さを添えていました。

陶板焼の主役は、細かな霜降りの入った八重山郷里牛。薄切りの肉と旬野菜を好みの加減で焼き、千寿葱の醤油だれ、かんずり、海塩で味わいます。仕上げのレモンの皮が脂の余韻を軽くし、肉の香りもよく伝わりました。

食事は真鯛と牛蒡の炊き込み御飯。ふっくら炊けた米に鯛の旨味がなじみ、牛蒡の土の香りが重なります。味噌汁と歯切れのよい香の物を添えた、落ち着いた組み合わせでした。

甘味の中心は柚子のソルベで、リキュールを霧状に吹きかけています。チョコレートプリンには、不知火と甲州ワインのゼリーを添えて。苺とメープルクリーム、ミントのほか、紫芋羊羹、糖衣がけのナッツ、乾燥りんごまで盛り合わせ、甘さの濃淡と食感に変化をつけた一皿でした。

森の離れ「The Moon SPA」

「The Moon SPA」は、古民家を改装した森の中の離れにあります。施術前に話を聞き、その日の心身の状態や目的に合わせて、オールハンドのトリートメントを組み立てます。プールとサウナは一組ごとの貸切制で、周囲を気にせず利用できます。館内には最新機器を揃えたジムもあり、24時間利用可能です。

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鉄板焼 禅とBar Bamboo

2023年に開業した「鉄板焼 禅」では、選び抜いた和牛と全国から届く旬野菜を、シェフが目の前の鉄板で仕上げます。カウンター越しに火入れの音や立ち上る香りが伝わり、料理人との距離も近く感じられる店です。食後は「Bar Bamboo」へ。落ち着いていながら堅苦しさはなく、ウイスキー、ワイン、日本酒、カクテルを傾けながら、ゆっくり夜を過ごせます。

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滞在を振り返って

金乃竹 塔ノ澤でいちばん印象に残ったのは、森を間近に感じながら、客室のプライベート感がきちんと保たれていることでした。好きなときに露天風呂へ入り、テラスで風に当たる。スタッフの手助けが必要な場面では、すぐに応えてもらえます。21室という規模もあってか、その距離感に無理がありませんでした。

気に入った点

  • 森を望むテラスと専用露天風呂があり、装飾を抑えた居心地のよい客室
  • 箱根の中心部に近く、それでいて日常の気配から離れられる環境
  • 応対が的確で気配りがあり、英語にも堪能なスタッフ

気になった点

  • 客室に入る自然光がやや限られていたこと

基本情報

  • 「光 HIKARI」宿泊料金:夕朝食付き1,060ユーロ。

連絡先

Kinnotake Tōnosawa

191 Tōnosawa, Hakone, Ashigarashimo District, Kanagawa 250-0315, Japan Google マップで開く
Kinnotake Tōnosawa
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