ホテルニューオータニ(東京)「エグゼクティブハウス 禅」での滞在
東京・紀尾井町のホテルニューオータニ(東京)。「エグゼクティブハウス 禅」は、本館ザ・メインの11・12階に客室と専用ラウンジを置く「ホテル・イン・ホテル」です。レストランやスパなど大型ホテルならではの選択肢を持ちながら、専用フロアへ戻ると人の流れがすっと遠のく。都心でホテルの時間も大切にしたい人には、この距離感が心地よく感じられます。
街に出やすく、緑も近い紀尾井町
千代田区紀尾井町にあり、迎賓館赤坂離宮や官庁街、ビジネス街へ足を延ばしやすい立地です。六本木、新宿、銀座へも地下鉄で短時間。赤坂御用地をはじめ、公園や寺社が点在し、都心にしては街路も穏やかです。観光や仕事から戻ったあと、喧騒と距離を置ける環境にあります。
ザ・メイン11・12階の専用フロア
エグゼクティブハウス 禅は2007年開業。ザ・メイン11・12階に客室と宿泊者専用ラウンジ「ZEN LOUNGE」があります。窓の向こうには赤坂御用地の緑が広がり、階下のにぎわいとは空気が変わります。専任コンシェルジュに相談できる一方、フィットネスクラブやスパ、多くのレストランなど、館内全体を利用できるのもこのフロアの使いやすさです。
景色を近くに感じる、端正な客室
全87室のうち、スイートは8室。墨の筆跡を思わせる黒を基調に、壁面のアートを控えめに配した客室です。盆栽や小さな石庭、時を経たアジアの陶器も置かれ、和の意匠が現代的な室内になじんでいました。私たちが泊まったのは、50㎡の「エグゼクティブ デラックス ダブル」。ベッドルームはもちろん、バスタブからも大きな窓越しに東京の街を望めます。バスルームのアメニティは「サルバトーレ・フェラガモ タスカンソウル」でした。
選択肢の多い館内ダイニング
館内には38のレストランがあります。「トゥールダルジャン 東京」は、1582年に始まったパリ本店の系譜を引くフランス料理店。日本庭園内の鉄板焼「石心亭」では、鯉が泳ぐ池を眺めながら、和牛や魚介を目の前で焼き上げてもらえます。料理のジャンルだけでなく、食事をする場所まで含めて選べるのが、このホテルならではの面白さです。
「VIEW & DINING THE SKY」は、東京を360度見渡せる回転展望と、注文ごとに仕上げる料理が特徴のビュッフェダイニング。和食なら、とんかつにキャベツ、ご飯、味噌汁を添えた定食をいただける「ふみぜん」、または大正10年創業の「伊勢廣」の焼き鳥も選択肢に入ります。食後には「ピエール・エルメ・パリ」の季節のパティスリーを。夜は、ポール・アイズピリによる連作を飾る「バー カプリ」で、オリジナルカクテルをゆっくり飲むのもいいでしょう。
「ZEN LOUNGE」の一日6回のフードプレゼンテーション
宿泊者専用の「ZEN LOUNGE」では、一日6回、時間帯に合わせて料理や菓子が並びます。朝は和洋をそろえ、エッグココットや「ピエール・エルメ・パリ」のクロワッサンも。その後は軽食、菓子、温冷の飲み物へと内容が移り、外出の前後に立ち寄るのにちょうどよいラウンジです。
夕刻にはオードブルとドラピエのシャンパーニュ、遅い時間には食後酒とショコラが用意されます。到着時に供される生姜を利かせた飴湯から、「ピエール・エルメ・パリ」の菓子まで、時間ごとに内容が変わり、何度立ち寄っても選ぶものがありました。
ゴールデンスパ・ニューオータニ
会員制スポーツクラブ「ゴールデンスパ・ニューオータニ」には、トレーニングジム、屋内プール、サウナがあり、エグゼクティブハウス 禅の宿泊者は無料で利用できます。しっかり運動したい日だけでなく、サウナやプールで気分を切り替えたいときにも便利です。館内ではスパトリートメントも受けられ、季節には屋外の「GARDEN POOL」も営業します。
400年余りの歴史を持つ日本庭園
4ヘクタールを超える日本庭園には、400年以上の歴史があります。江戸初期に加藤清正の下屋敷が置かれ、のちに井伊家の中屋敷、明治期には伏見宮邸宅となりました。第二次世界大戦後、ホテルニューオータニ創業者の大谷米太郎が土地を取得し、自ら庭園の改修を指揮。1964年の東京オリンピックを前にホテルが建設され、庭園もその一部として残されました。
現在は宿泊者以外にも開かれ、木立を縫う小径、朱塗りの太鼓橋、鯉が泳ぐ池を巡れます。ホテルの敷地内とは思えないほど奥行きがあり、木々や花の表情も季節ごとに変わります。2014年に始まった夜間のライトアップは、照明デザイナーの石井幹子氏が監修。日が暮れると、橋や滝、石組みがやわらかな光の中に浮かびます。
滞在を終えて
エグゼクティブハウス 禅は、食事や運動、買い物を館内で済ませられる一方、客室とラウンジでは人の流れを離れて過ごせます。これだけ規模の大きいホテルでありながら、自分たちの居場所がはっきりしているのがよかった。日本庭園も眺めるだけではなく、朝夕に歩きたくなる場所です。都心で予定をこなしつつ、ホテルでの時間にも余白を持たせたい滞在に向いています。
印象に残った点
- 専用ラウンジのあるエグゼクティブハウス 禅のプライベート感と、数多くのレストランを持つ大型ホテルの利便性を行き来できること。
- 客室の居心地のよさ。遠くには富士山も望めました。
- 東京の中心とは思えない広さと、400年余りの歴史を持つ日本庭園。
気になった点
- 周辺は落ち着いていますが、ホテルのすぐ近くに限ると、飲食店などの選択肢は多くありません。
基本情報
- エグゼクティブ デラックス ダブル:2026年2月宿泊時 €800
連絡先
空室を確認Hotel New Otani Tokyo - Executive House ZEN