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旧清水小学校を受け継ぐ、ザ・ホテル青龍 京都清水

Florence Consul
Florence Consul ·

1933年築の旧清水小学校を受け継ぐ、ザ・ホテル青龍 京都清水。校舎時代の面影を残しながら、現代のホテルに必要な快適さを無理なく組み込んでいます。寺院や石畳の路地へ歩いて出られ、館内から法観寺・八坂の塔を望めるのも、この場所ならでは。全48室の客室に加え、フランス料理、ルーフトップバー、京都文化に触れる催しがそろい、東山の日常を近くに感じられるホテルです。

賑わいが引いた東山を歩く

ホテルが立つのは、古い町並みが色濃く残る東山。世界遺産の清水寺へは徒歩数分、法観寺・八坂の塔もすぐ近くです。二寧坂や産寧坂の石畳には町家や小さな社が連なり、季節によって景色も変わります。観光客の少ない早朝や、人通りが落ち着く夜に歩けるのは、ここに泊まる大きな利点。名所のただ中にありながら、館内へ戻ると喧騒が遠のく、その切り替わりも心地よく感じました。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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旧校舎の記憶を残す館内

建物の原点は、1933年に建てられた旧清水小学校です。洋風建築の趣がある外観をはじめ、南棟のアーチ窓、スパニッシュ瓦、木製の持ち送りなど、昭和初期の意匠が今も残ります。校舎を丁寧に修復し、現代のデザインを控えめに重ねることで、元の建築の輪郭を損なわない空間に仕上げています。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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長い廊下や使い込まれた階段、木の床、梁、腰板には、学校だった頃の面影が残っています。教室は客室に、講堂は自然光の入る共用空間へと変わりました。京都や子どもの記憶にまつわるアートも館内に点在していますが、懐かしさをことさらに強調する見せ方ではありません。過去を新しい内装で覆わず、今の居心地へ自然につないでいるところに、このホテルの持ち味があります。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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旧校舎を生かした全48室

客室はスイート1室を含む全48室。金色を帯びた木部に、オフホワイトや土を思わせる色を合わせ、折り上げ天井には間接照明を組み込んでいます。大きな窓の向こうには京都の景色が広がり、上層階の客室はゆとりのある間取りと緩やかな曲線が特徴です。137㎡のパノラミックスイートには独立したリビングルームとベッドルームがあり、市街と周囲の山並みを一望できます。パノラミックテラスツインでは、専用テラスの正面に八坂の塔を望めます。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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私たちが泊まったのは、旧校舎内にある45㎡のデラックスキング。クラシカルな建築を生かしつつ、設備や動線は使いやすく整えられています。木の温かな質感と抑えた照明もよくなじみ、東山を一日歩いた後、気持ちを静かに切り替えられる客室でした。

かつての講堂で朝食を

朝食会場は、かつての講堂を改装したrestaurant library the hotel seiryu。1,000冊を超える本が並ぶ、図書館のように落ち着いた空間です。地元の食材を取り入れたビュッフェのほか、メイン料理を一品選びます。卵料理は好みの調理法と付け合わせを指定でき、そのほかパンケーキのフルーツソース添え、スモークサーモンとサワークリームのそば粉のガレット、プラントベースミートのオープンサンド、ヴィーガンパンケーキ、京漬物のすぐきを使ったリゾット、京の和朝食、数種類の小鍋仕立てまで、幅広い選択肢がありました。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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パリの老舗ビストロを継ぐ、ブノワ 京都

ブノワ 京都は、ブノワ・マトレーが1912年に始めたパリの老舗ビストロの流れをくむレストランです。2005年からデュカス・パリが店を受け継ぎ、同年の東京、2008年のニューヨークに続いて京都へ進出しました。料理の軸にあるのは、フランスの古典的な技法と旬の食材。店内には格式を押しつけない温かさがあり、パリのビストロらしい気取りのなさが感じられます。

ディナーは、チーズのグジェールとカヴァから。前菜に選んだパテ・アン・クルートは、光を受けてきらめくカットガラスの皿で供されました。香ばしいパイ生地の中には、ほどよく粗さを残した肉のフィリング。ピンク色のエシャロット、ミニトマト、ピクルスを合わせた酸味のあるコンディメントが添えられています。

夫が選んだ前菜は「烏賊とういきょう クスクスとブルグル」。貝のジュを含ませたクスクスとブルグルの上に、やわらかな烏賊が重なります。薄切りのういきょうは歯触りがよく、清涼感も十分。殻付きの貝が海の風味を深め、香辛料は烏賊の淡い甘みを消さない程度に抑えられていました。

続く「近江鴨のコンフィ 芽キャベツと春キャベツのヴィネグレット 鴨のジュ」は、黒いストウブのココットで供されます。艶よく焼けた皮は香ばしく、肉はしっとりとほどける仕上がり。ローストした芽キャベツのほろ苦さを淡い緑色のヴィネグレットが引き締め、濃い鴨のジュが味に奥行きを加えます。

夫の主菜は「京もち豚のドレとクルスティアン」。大ぶりの豚肉は火入れがよく、黄金色の皮の歯触りと、内側のやわらかさが鮮やかな対照を見せます。付け合わせは、フレッシュタイムが香るなめらかなじゃがいものピュレ。琥珀色のジュ・ド・コションには肉の旨みが凝縮されていました。

デザートの一皿目は、温かなチョコレートソースをかけるプロフィットロール。小さなシューにはバニラアイスクリームがたっぷり詰まり、テーブルで注がれたソースが表面を覆い、皿の底へ流れていきます。香ばしいシュー、冷たいアイスクリーム、濃いカカオという、王道の組み合わせです。

夫は「サヴァラン・アルマニャック・シャンティ」を選びました。気泡を含んだ黄金色の生地にアルマニャックを注ぎ、バニラの粒が見える軽いシャンティクリームを添えていただきます。酒を含んだ生地の香りと、冷たくミルキーなクリームの分量を自分で調整できるのも、このデザートの楽しさ。ブノワ 京都らしい、気負いのない締めくくりでした。

屋上で一杯、あるいはライブラリーで寿司を

ホテル4階のK36 The Bar & Rooftopからは、京都の屋根並みと寺院、その先に続く東山の稜線を見渡せます。希少な銘柄のウイスキーや熟成酒、ワインがそろい、夕暮れどきの屋外テラスは、食前酒にも軽い食事にも、一日の最後の一杯にも向く場所です。宿泊者は事前に席を予約できます。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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より落ち着いた夜を過ごしたいなら、柔らかな照明のライブラリーに設けられたSUSHI-BAR@libraryへ。夕方から、産地と鮮度を吟味した旬の魚介を、仕事の行き届いた寿司でいただけます。コースや寿司会席のほか、単品の握りも注文でき、日本酒やワインも選択肢が豊富。かしこまりすぎず、自分のペースで食事ができます。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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舞妓、茶道、箏に触れるゲストラウンジ

宿泊者専用のゲストラウンジは、すべての客室の滞在者が無料で利用できます。床から天井まで届く窓の先には町並みと八坂の塔。朝は挽きたてのコーヒー、日中は軽食や菓子、夜は飲み物を手にライトアップされた建物を眺められます。春の桜や秋の紅葉も窓越しに楽しめ、外の賑わいとほどよく距離を置ける場所です。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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ラウンジでは毎週、宮川町の舞妓による舞も披露されます。間近で見る所作は細部まで意識が行き届き、衣装や舞踊を通して花街の文化を知る機会になりました。鑑賞後には舞妓と言葉を交わし、一緒に写真を撮る時間も設けられています。普段は接点を持ちにくい京都の伝統が、少し身近に感じられました。

毎週月曜と金曜には、専門講師による茶道体験が開かれます。茶道の歴史や和敬清寂の考え方を学び、道具を間近で見た後、自分で抹茶を点てます。抹茶には、その味に合わせて選ばれた和菓子が添えられていました。手順を眺めるだけでなく、自ら手を動かすことで、一つひとつの所作が持つ意味も理解しやすくなります。

@The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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毎週水曜は、箏を中心とした和楽器体験の日。八坂の塔を背景に、澄んだ生演奏の音がラウンジに広がります。8世紀に日本へ伝わり、宮廷音楽や物語を語る芸術と結びついてきた箏について、その歴史や日本音楽の考え方を学べます。講師の案内を受けながら実際に弦に触れ、演奏を試すこともできました。

歩き疲れた日はプライベートバスへ

東山を歩いた後は、館内に3室あるプライベートバスへ。3メートルを超える天井と柔らかな照明の下、周囲を気にせず湯に浸かれます。運動を続けたい人には、ランニングマシンやファンクショナルトレーナーを備えたフィットネスジムもあります。

滞在を終えて

このホテルで最も心に残ったのは、校舎の来歴を意匠として保存するだけでなく、現在の東山で過ごす時間へとつないでいることでした。観光地の中心にありながら華美にもよそよそしさにも傾かず、土地との距離が近い。京都でホテルに泊まる意味を、建物と過ごし方の両方から感じられる一軒です。

気に入った点:

  • 京都・東山の中心にあり、周辺の名所を徒歩で巡れる立地。
  • 旧校舎の意匠を残しながら、全48室のホテルへ丁寧に改修していること。なかでもアールデコ調の内装と、八坂の塔を望む景色が心に残りました。
  • 滞在の流れを妨げず、日本文化に触れられるラウンジでの体験。

惜しかった点:

  • 京の和朝食はとてもよかった一方、洋食の品ぞろえには改善の余地を感じました。

基本情報

  • 2026年6月のデラックスルームは€980。

The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu

Higashiyama-ku Kiyomizu 2-204-2, Kyoto, Japan
The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu
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