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京都・嵐山「京 翠嵐」で味わう、和とフレンチのディナー

Florence Consul
Florence Consul ·

嵐山の稜線と保津川を望むレストラン「京 翠嵐」。川崎正蔵男爵の旧別荘を受け継ぐ歴史的な建物で、会席料理の技法にフランス料理の感覚を取り入れた皿を味わえます。山口 翼総料理長が京都の旬をどう料理に落とし込むのか。ディナーコース「錦繍」をいただきました。

嵐山を歩くのにも便利な、川辺のホテル

翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都が立つのは、京都市西部の嵐山。背後には木々に覆われた山々、目の前には翡翠色の保津川が広がります。竹林の小径や天龍寺も徒歩圏内にあり、寺社や史跡を巡る拠点として便利です。館内では日本庭園を眺め、貸切の温泉露天風呂で旅の疲れをほどくこともできます。京都の歴史に近い立地でありながら、ホテルで静かに過ごす余白もあります。

@Kyo-Suiran
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「延命閣」の面影を残すダイニング

「京 翠嵐」が入るのは、1899年に川崎正蔵男爵の別荘として建てられた旧「延命閣」。明治期の意匠を残しながら現代の家具や照明を取り入れ、建物の由緒をことさらに強調しない落ち着いた空間です。足元近くまで届く大窓の先には日本庭園があり、その向こうに嵐山の緑と保津川が見えます。視線が自然に外へ抜け、長いコースの間も窮屈さを感じません。

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料理の軸は、京都の季節の食材を生かした会席料理。地元の野菜や天然魚にフランス料理の技法を取り入れ、キャビアやフォアグラも料理の流れを損なわない範囲で使われます。館内では鉄板焼「観山」も選べ、「京 翠嵐」ではシグネチャーコース「錦繍」を用意。会席の順序を踏まえながら、盛り付けや味の組み立てに現代的な感覚が見えます。

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山口 翼総料理長の経歴

山口 翼総料理長は、辻調理技術研究所を卒業後、東京・恵比寿の「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」で料理人としてのキャリアを開始。2017年には副料理長として、ニューヨークの「L’Atelier de Joël Robuchon」と「Le Grill de Joël Robuchon」の開業に携わりました。両店は2019年版のミシュランガイドNYCに掲載され、続いて開業に参画した、野菜を主役とする「Le Jardinier New York」も2020年版で一つ星を獲得しています。帰国後は株式会社リージョナルクリエーション長崎で飲食事業部部長などを務め、調理に加えてレストラン運営にも携わりました。現在は翠嵐の総料理長として、培ってきた技術と海外での経験を京都の食材に生かしています。

ディナーコース「錦繍」

「錦繍」は、趣向の異なる二つのアミューズから始まります。ヴェリーヌは、菜花と蛤、梅、フォアグラを合わせた軽いムース仕立て。蛤の旨味を梅の酸味が引き締めます。もう一品は、鶏白肝を挟んだ塩味のどら焼き。オレンジと五香粉が、濃厚な白肝のあとに複雑な香りを残します。

薄く切った桜鱒には、なめらかな根セロリとキャビアを添え、ポン酢ジュレで味を引き締めています。グリーンピースと細切りのラディッシュも加わり、瑞々しさと歯触りに変化が生まれます。淡い色合いの中に、春らしさがすっきりと表れた一皿です。

黒塗りの椀には、口当たりのやわらかな玉子豆腐と薄切りの新じゃがいも。鰹節の旨味に、ベーコンの塩気とコクを重ねています。見た目は端正な椀物ですが、ベーコンが加わることで味にはひとひねりありました。

湯葉で包んだ京赤地鶏は、ふっくらとした鶏肉に湯葉のしっとりした口当たりがよくなじみます。筍の淡い甘みを柚子胡椒の辛みが引き締め、九条葱の青い香りがあとに残りました。

桜鯛は香ばしく焼き、なめらかな木の芽味噌とともに。白身の味を覆わない穏やかな塩梅で、細切りの新玉ねぎが軽い歯触りと甘みを添えます。木の芽の緑と新玉ねぎの白を生かした盛り付けも、すっきりと見えました。

続く近江牛は、サーロインの中心までしっとりと火を入れた一皿。紅くるり大根の鮮やかな色と歯切れ、焼き豆腐のやわらかさ、黒あわび茸の大地を思わせる香りを合わせています。米麹の穏やかな香りに、バナナの甘みをほんの少し重ねた点も意外でした。

締めの素麺には、春キャベツと蛍烏賊を合わせています。細い麺とやわらかな春キャベツに、蛍烏賊の濃い旨味がよく合います。唐墨と魚醤が塩気とコクを補い、量は控えめでも余韻の長い一品でした。

デザートは黒豆羊羹を土台に、苺の酸味とマスカルポーネのまろやかさを重ね、抹茶の青い香りで味を引き締めています。軽くほどけるメレンゲも食感のよい変化に。黒豆羊羹がベースでも重たくならず、コースの最後にちょうどよい加減でした。

総評

「京 翠嵐」で印象に残ったのは、桜鱒から素麺まで、和の素材と会席の流れが崩れていなかったこと。フランス料理の技法は前に出すぎず、味や食感に変化が必要な場面で使われています。山口 翼総料理長の料理は、和食とフレンチを単に並べたものではありません。歴史ある嵐山で、今の京都の料理を味わいたい夜に選びたいレストランです。

Kyo-Suiran

Japan, 〒616-8385 Kyoto, Ukyo Ward, Sagatenryūji Susukinobabachō, 12 翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都
Kyo-Suiran
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