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ウォルドーフ・アストリア大阪「サマーエスケープ アフタヌーンティー」

Florence Consul
Florence Consul ·

ニューヨークのアールデコに日本の意匠を重ねた、ウォルドーフ・アストリア大阪。アンドレ・フーが手がけた吹き抜けの一角にある「ピーコック・アレー」は、開業まもなくから大阪のホテルラウンジとして注目を集めている。今回29階でいただいた「サマーエスケープ アフタヌーンティー」は、トロピカルフルーツを使ったスイーツに、趣向の異なるセイボリーとスコーン、料理に合わせたアイスティーをそろえた夏季限定メニュー。大阪の街を見下ろしながら、暑さを忘れてひと息ついた。

うめきた上空に重なる、アールデコと和の意匠

ウォルドーフ・アストリア大阪は、グラングリーン大阪 南館の28階から38階に入る、日本初のウォルドーフ・アストリア。JR大阪駅に直結し、変貌を続けるうめきたの街を見渡せる。館内を手がけたのはアンドレ・フー。ニューヨークのアールデコに日本の美意識を重ね、行灯を思わせる木組みを随所に配している。全252室の客室とスイートにも組子や和紙が使われ、窓辺には大阪の街並みが広がる。館内にはフレンチブラッスリーや日本料理店、ジャズエイジの面影を残すピーコック・アレーがあり、ウォルドーフ・アストリア・スパでは日本の伝統に着想を得たトリートメントを受けられる。

@Afternoon Tea Waldorf Astoria Osaka
@Afternoon Tea Waldorf Astoria Osaka

吹き抜けのラウンジ「ピーコック・アレー」

28階と29階をつなぐ、高さ8メートルの吹き抜けと大階段。その足元にラウンジ&バー「ピーコック・アレー」が広がる。往年の社交場を思わせる華やかな設えだが、過度に仰々しくはない。大きな窓の先には関西の街並みが広がり、昼はランチや季節のアフタヌーンティー、夕暮れどきはシャンパン、食後はカクテルと、時刻に応じて使い方が変わる。接客は必要なときだけそっと寄り添う距離感で、景色と料理に自然と集中できた。

@Afternoon Tea Waldorf Astoria Osaka
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夏を映す「サマーエスケープ アフタヌーンティー」

2026年7月1日から8月末まで登場した「サマーエスケープ アフタヌーンティー」は、大阪の暑さをしばし忘れさせる内容だった。マンゴーの黄、桃の淡い色、ココナッツの白を基調に、植物の緑、ビーツやキャビア、アイスティーの深い色が全体を引き締める。端正な小皿が並ぶ様子は、伝統的なティースタンドというより、南国の風景を小さく切り取ったテーブルに近い。

セイボリーは軽やかさのなかにも味の芯がある。「ロブスターロール マンゴーチャツネとマドラス風味」は、甲殻類の甘みにマンゴーの果実味と穏やかな辛みが重なる。「ウォルドーフ・アストリア大阪オリジナルラベルキャビアとカルピスバターのフィナンシェサレ」では、キャビアの塩気がバターの乳味とやわらかな生地を引き締めていた。「サマートマトのシフォンケーキ バジルサワークリーム添え」は軽く、「オレンジ風味のマリネサーモン ビーツのマルブレサブレ」には爽やかな酸味と鮮やかな色の対比がある。最後にいただいた「フォアグラと焼きトウモロコシのコルネ 海苔の香り」は、フォアグラの濃厚な口溶けにトウモロコシの穏やかな甘み、海苔の香りが重なる。

スコーンは英国式の定番に収まらず、一品の料理として組み立てられている。「トリュフスコーン ベーコンとチーズのクリーム カルボナーラ仕立て」は、トリュフとベーコンの燻香にチーズのコク、黒胡椒の辛みが続く、塩味のはっきりした一品。対する「ビターチョコチップスコーン 完熟バナナのムース ほろ苦いカラメルソースを添えて」は、濃いカカオに熟したバナナを重ね、カラメルの苦みで甘さを抑えている。セイボリーからスイーツへ移る間に置くと、流れが自然だった。

スイーツはマンゴー、桃、ココナッツが軸。「ホワイトベルベットチーズケーキ ピーチクリームのシュルプリーズ」は、白い姿の内側に桃のクリームを忍ばせ、ミルキーな口溶けのあとに果実味が立つ。「宮崎マンゴーとニューカレドニア産バニラのキャンディースムージー」は、どこか懐かしさのある見た目に対して、マンゴーの濃さとバニラのまろやかな香りが際立っていた。なかでも印象に残ったのは、「マンゴーとレモンのタルト ヴィチペリフェリペッパーのアクサン」。熟したマンゴーの甘さにレモンの明るい酸味が差し込み、最後に希少な胡椒の刺激が残る。最後まで味の輪郭がぼやけない一品だった。

「ココナッツとマンゴーのオペラエキゾチック」は、クラシックなオペラを思わせる緻密な層に、ココナッツとパッションフルーツ、マーガオの香りを合わせたもの。南国の香りが幾重にも重なるが、味は散らからない。「赤紫蘇風味のグアバチーズパイ」では、果実とチーズの間に赤紫蘇の涼やかな香りが入り、日本らしい後味を残す。形はすっきり、色は鮮やかで、細部まで乱れのない仕上がりからペストリーチームの技量が伝わった。

通常のアフタヌーンティーには、追加料金でシェフ特製の2品を加えられた。「減圧メロンとプロシュート ブッラータクリーム」は、減圧製法でメロンのみずみずしさと甘みを凝縮し、プロシュートの塩気とブッラータクリームのまろやかさを添えた一皿。組み合わせが簡潔だからこそ、素材の扱いがよく分かる。「マンゴーとグラス・バナーヌのクープ 大阪ミックスジュースへのオマージュ」は、薔薇のように仕立てたマンゴーにグラス・バナーヌ、パイナップル、桃のゼリー、クリーム、季節の果物を重ねたデザート。全体を混ぜると大阪名物のミックスジュースを思わせ、整った見た目の奥に親しみのある味が現れる。

スミス・ティーメーカーとのコラボレーションでは、料理と飲み物のつながりがはっきりしていた。ハイビスカス マンゴー アイスティー、ブラックベリー ジャスミン アイスティー、パイナップル グリーン アイスティーはいずれも、メニューの果実味を受け止めるペアリングとして考えられている。私たち夫婦が選んだのは、パイナップル グリーン アイスティー。中国緑茶のすっきりした青みのある香りに、パイナップル、ピーチ、バニラが重なる。甘い余韻はあるが、料理の味を覆わない。パイナップル グリーン モヒート、ジャスミン ブルーム、ハイビスカス マンゴー サングリアといったカクテルやモクテルもあり、お茶以外を合わせたいときにも選択肢が用意されていた。

@Afternoon Tea Waldorf Astoria Osaka
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食後の印象

「サマーエスケープ アフタヌーンティー」は、ピーコック・アレーの眺めと空間をよく生かしていた。セイボリーは小さな一品ごとに狙いが明確で、スコーンも脇役に収まらない。果実を中心に据えたスイーツは、色だけでなく酸味やスパイスの効かせ方にも変化があり、アイスティーとのつながりにも無理がなかった。視界の開けた29階の空間と、必要なときだけ近づく距離感のよいサービスも記憶に残る。旅行者にも地元の人にも、暑い季節の午後をゆっくり過ごす一席として薦めたい。

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Afternoon Tea Waldorf Astoria Osaka

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