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日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光で味わう、奥日光の一膳

Florence Consul
Florence Consul ·

ザ・リッツ・カールトン日光の「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」は、食事を目当てに足を運びたい一軒だ。栃木の食材を軸に、日本料理の技と現代の感覚を無理なく重ねている。建築や器も料理から浮くことなく、季節と土地が一つの流れとして伝わってきた。

中禅寺湖畔、男体山を望むホテル

日光国立公園内、中禅寺湖の東岸に立つザ・リッツ・カールトン日光。正面に男体山を望み、いろは坂を上りきると、奥日光の自然と日本文化を取り入れた館内へと導かれる。自然素材を基調とした空間は簡潔で、全94室の客室とスイートには、湖または山を眺める縁側が備わる。日光湯元温泉から湯を引いた温泉とスパ、栃木県産食材を使う和洋のダイニングも滞在の柱だ。周辺の自然を歩き、土地の信仰や文化に触れ、温泉に浸かる。そうした時間を重ねるほど、奥日光という場所が身近になっていく。

© The Ritz-Carlton, Nikko
© The Ritz-Carlton, Nikko

鹿沼組子と益子焼が伝える土地の手仕事

「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」が重んじるのは、素材の持ち味を損なわない、端正な仕事だ。近隣の農家や市場から届く食材を使い、栃木の季節を会席、寿司、鉄板焼で見せる。料理に合わせる地酒からも、土地に受け継がれてきた酒造りの技と背景がうかがえる。

© The Ritz-Carlton, Nikko
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店内は明るく、庭まで視線が抜ける。栃木の伝統工芸である鹿沼組子の格子が空間をゆるやかに分け、現代的な内装に土地の手仕事をなじませている。料理は、地元の職人が手掛けた益子焼の器に盛られる。料理、器、建築のどれかが前に出すぎることなく、奥日光の店として心地よい均衡を保っていた。

© The Ritz-Carlton, Nikko
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© The Ritz-Carlton, Nikko
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© The Ritz-Carlton, Nikko
© The Ritz-Carlton, Nikko
© The Ritz-Carlton, Nikko

栃木の旬を盛り込んだ「日光御膳」

今回いただいたのは、栃木の季節の味を一膳に盛り込んだ「日光御膳」。先付けの日光湯波はなめらかで、まろやかなコクがほのかに残る。季節野菜の炊き合わせには、穏やかなだしがよく含まれていた。続く御膳には、薄く丁寧に引いた御造り3種、地野菜と稚鮎の南蛮漬け、那珂川産鰻の茶碗蒸しが並ぶ。茶碗蒸しは口当たりが軽く、鰻の旨味がだしに奥行きを加えていた。

温かな料理では、海老、帆立貝柱、夏野菜の天婦羅が印象に残った。衣は薄く、澄んだ天出汁が素材の甘みを引き出す。栃木を代表するブランド鱒「頂鱒」は火入れがよく、たまり漬けを利かせたタルタルソースにはしっかりとした味がある。添えられた蕪の甘酢漬けで、後口は軽くなった。栃木県産黒毛和牛のすき煮は肉がやわらかく、脂の甘みも明瞭。煮汁を含んだ季節野菜まで味わい深い。

食中に合わせたのは、よく冷やした青茶「Queen of Blue Grand クイーン オブ ブルー グランド」。グラスに注ぐと琥珀色で、穏やかな渋みの奥に、木を思わせる香りがわずかに残る。御造りの持ち味を邪魔せず、温かな料理のコクにも無理なく寄り添った。締めには、麦を合わせた日光市産「滋養米」、赤出汁、香の物。品数の多い御膳を、落ち着いた味で結ぶ。

甘味は、なめらかな抹茶チーズケーキと日光牛乳のアイス。チーズケーキには抹茶の心地よい苦みが残り、後味のすっきりしたミルクアイスがやわらげる。料理数は多いものの、味が重なることはない。栃木の食材と季節、それを扱う料理人の仕事が、一皿ごとに明快に伝わる昼食だった。

食後に残った印象

「日光御膳」は、切り方、火入れ、だしの濃さにまで目が行き届き、品数が多くても味の焦点がぼやけない。やわらかな照明と自然素材のしつらえも控えめで、料理に意識を向けやすかった。華美な演出より、食材と手仕事を前に出す姿勢にも好感を持った。食後に残ったのは、奥日光の土地と季節をきちんと食べたという実感。料理を急がず、昼の時間をゆっくり取りたい店だった。

連絡先

The Japanese Restaurant

2482, Chugushi Nikko, Tochigi, Japan 321-1661