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岡山

1. 撚る屋

倉敷美観地区の一角、深い色合いの木材を配した外観が目を引く「撚る屋」は、明治期に呉服屋の別邸として建てられた建物を受け継ぐ、全13室の料理宿。古い梁や柱を残した棟のほか、煉瓦造りと漆喰仕上げの現代的なメゾネット棟が並ぶ。建築や意匠に目を向けながら、プライベート感を保って静かに過ごしたい人に向く。料理は二十四節気と七十二候を手がかりに、瀬戸内の魚介や近郊の農産物を日本料理に仕立てる。併設のBar YORUYAでは、岡山県産ワインや県内醸造の日本酒もそろう。

2. Heima

198平方メートルの空間を1日1組だけで使うHeimaでは、ほかの宿泊客と顔を合わせることなく過ごせる。建築や家具の随所に職人の手仕事が見え、どの部屋からも瀬戸内海を一望できる。霧がかる朝、赤く染まる夕暮れ、星の浮かぶ夜と、窓の外は刻々と表情を変えていく。海に向けて設えられた屋外の檜風呂を手がけたのも、四国の職人だ。携帯電話の電波は届かず、テレビもWi-Fiもない。日常との接点をいったん手放し、静かに籠もるための宿である。

3. 名泉鍵湯 奥津荘

吉井川沿いに建つ「名泉鍵湯 奥津荘」は、国の登録有形文化財に登録された全8室の木造旅館。手入れの行き届いた館内には、歳月を重ねた木の温もりが残り、ゆったりとした時間が流れる。名物の「鍵湯」は、浴槽の底にある岩の間から湯が湧く足元湧出。加水も加温もせず、源泉をそのまま掛け流している。名の由来は、かつて津山藩主の森忠政が鍵をかけ、専用の湯としたことにある。夕食には、岡山の旬の食材を使い、温泉水を取り入れた手作りの料理が一品ずつ並ぶ。食後は、築100年の古民家を改修した古民家カフェ『サミュート』へ。夜は宿泊者専用のラウンジとなり、地酒やワインを傾けながら、ふたりで静かに過ごせる。

4. 旅館くらしき

倉敷美観地区に残る18世紀の商家と3棟の蔵を生かした「旅館くらしき」は、全8室。客室ごとに趣が異なり、畳に座の低い和家具を合わせた設えを軸に、ベッドを備える部屋もある。最大4名で利用でき、家族での滞在にも向く。旬の食材を用いた懐石料理は、客室または庭を望むレストランでいただける。中庭に面した宿泊者専用ラウンジ「テラス」には、抹茶や菓子も用意。岡山桃太郎空港から約50分。倉敷の歴史や文化をじっくりたどる旅にも向いている。

5. 備後屋

玉島港を見下ろす、緑に包まれた斜面に建つ備後屋。石段と細い小径に沿って、趣の異なる9室の和室が点在します。銅板葺きの屋根と石垣を備えた「只庵」は、城郭を思わせる佇まい。最も高い場所にある「清風荘」からは瀬戸内海を望めます。食卓には、旬の魚介や桃、マスカットなど、岡山の味覚を取り入れた会席料理が並びます。別棟の貸切風呂には、木の香りが心地よい高野槇の浴槽があり、5名まで利用できます。家族や気心の知れた友人と、料理を楽しみながら静かに過ごしたい宿です。