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現代アートを巡る直島

Florence Consul
Florence Consul ·

瀬戸内海に浮かぶ小さな島、直島。現代美術館や島の各所に点在する彫刻によって、いまや世界に知られる島となった。3度目の日本滞在で、ようやく訪ねることができた。

自然と建築、アートが重なる島

取り組みが始まったのは1980年代。実業家の福武總一郎は建築家の安藤忠雄とともに、直島に美術館をつくる構想を進めた。その歩みのなかで複数の美術館が生まれ、中核となったのがベネッセハウス ミュージアムである。自然、建築、アートを一つに捉える考え方は、島を歩くうちに実感を伴ってくる。

瀬戸内海へ開くベネッセハウス ミュージアム

建物そのものを目当てに訪れたくなる美術館だ。打ち放しコンクリートの壁に大きな開口部が設けられ、その向こうに瀬戸内海が広がる。展示は戦後の現代美術が中心。私は美術に詳しいわけではなく、強く惹かれた作品は多くなかったが、安藤忠雄の建築からは最後まで目が離せなかった。

ベネッセハウスで美術館に泊まる

1992年に開館したベネッセハウス ミュージアムには、ホテルが併設されている。美術館の中で一夜を明かせるのは、現代アートを愛する人なら興味をそそられるだろう。客室は建築の一部としてすっきりと収まり、内装も簡素で現代的だ。ただし、予約は早めにしておきたい。私たちは11月の宿泊を考え、1カ月半前に探し始めたが、残念ながらすでに満室だった。

最も印象に残った地中美術館

次に訪れた地中美術館が、今回もっとも心に残った場所だ。「素晴らしい」と何度口にしたかわからない。同じく安藤忠雄の設計だが、ベネッセハウス ミュージアムとは趣がまるで異なる。建物の大半は地中にあり、要塞へ足を踏み入れるような感覚で、打ち放しコンクリートの壁に沿って奥へ進んでいく。

自然光が入る場所は限られ、差し込む光によって作品と空間の表情が刻々と変わる。展示作品の数は多くないが、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの作品は、それぞれのために設計された空間に置かれている。直島を訪れるなら外せない一館だ。

李禹煥美術館

3館目は李禹煥美術館。韓国出身の李禹煥による作品にはいくつか惹かれるものがあったものの、全体としては私の好みとやや異なった。一方で、安藤忠雄の建築と、そこから見える海には強く心を引かれた。

直島での時間の使い方

初めてなら、まずはこの3館を軸に予定を組みたい。どこまで回れるかは滞在時間によるが、島には心地よい浜辺や見晴らしのよい場所もある。私たちのように天候に恵まれたなら、美術館を急いで巡るだけでなく、島そのものに向き合う時間も取っておきたい。

アートを目的に旅する人なら、直島は一度訪ねてみたい場所だ。ただ、日本への初めての旅に無理に組み込むよりも、2度目以降の滞在で時間をかけて訪れるほうが、この島には合っているように思う。

出発前に知っておきたいこと

• 島の面積は約8km²と小さいが、徒歩だけで巡るのは意外に骨が折れる。フェリーを降りてから車を借りることも検討したい。私たちはレンタカーをフェリーに載せ、そのまま島内を移動した。

• 月曜日は、ベネッセハウス ミュージアムを除く美術館が休館する。そのぶん、島を静かに巡るには都合がよい。2日間滞在できるなら、月曜の朝にフェリーで渡り、島内や海辺を歩きながらベネッセハウス ミュージアムを鑑賞して宿泊。翌日にほかの美術館を回る日程が組みやすい。

• ベネッセハウス ミュージアムのミュージアムカフェは、海を眺めながらひと休みするのにちょうどよい。ただ、料理は景色ほど記憶に残らなかった。休憩だけなら、ペリエを選ぶのも一案だ。

• 訪問時、美術館内では写真撮影が禁止されていた。そのため、この記事に掲載した写真の多くは公式提供のものである。